うさぎの陰茎部尿道結石
うさぎさんの陰茎部尿道結石の症例報告です。
うさぎさんの尿道や陰茎はわんちゃんねこちゃんと異なる部分も多く
同様の経過をたどらず、術式も必ずしも同じ方法を取れないことがあります。
うさぎさんの尿路結石で最も多いのは膀胱結石です。
ただし、尿道を通過して、骨盤腔内や、外陰部、陰茎にまで達してから
閉塞の症状を示すことがあります。
今回のうさぎさんは珍しい、陰茎の根元の尿道の、大きな結石でした。
うさぎさんはわんちゃんと違い陰茎骨がありません。
そのため、術式も完全に応用することができず、
解剖学の本をひっくり返しながらの治療でした。
来院時は全身状態の悪化からの、歩様の異常が主訴でした。
原因は陰茎部尿道閉塞による水腎症でした。
麻酔のリスクはありますが緊急的に手術となりました。
炭酸カルシウム結石という石による障害でした。
献身的な投薬、給餌による介護のおかげで術創も回復し
長く続いた強制給餌による臼歯の過長をふたたび麻酔をかけて
治療した後、自分でも食事をとってくれるようになり、
今は元気に過ごしてくれています。