3周年(獣医師になったきっかけ)
今回は獣医師になるきっかけになった出来事について
書いてみたいと思います。
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高校生だった私は、特にやりたいこともなく、
勉強が好きなわけでもなく、
将来のことはあまり考えずに、やりたいことをやっているような学生でした。
そんなとき、ピアノを教えてもらっていた先生の家で
高齢で眼の見えなくなったわんちゃんに出会いました。
先生の家で飼っていた、
ビションフリーゼというわんちゃんの兄弟だったのですが、
飼い主さんの都合で一時的に預かっている子でした。
その子にあったのは数回だったのですが、
眼が見えないなりに、匂いを頼りに膝の上に来てくれて
膝に乗ると安心しておもらしをしてしまう子でした。
それまでも、動物が好きでしたし、興味もあったのですが、
勉強が好きではなく、理系の科目は特に苦手だったので
科目数の少ない、普通科の文系コースというクラスにいました。
しかし、その子のくれた優しいひと時が
自分の本当にやりたいことの方向性を思い起こさせてくれたような感じでした。
そこから一念発起して、一から理系の科目を勉強しなおして、
なんとか獣医学科のある大学に合格することができ今に至ります。(潤)
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わたしが獣医師になりたいと思ったきっかけは、「動物病院の待合室」です。
小さいころから、犬や猫が大好きだった私は、小学校の帰り道、
外で飼われている犬をなでたり、
一人でお散歩中の猫についていったりして、なかなか帰ってこないような子でした。
中学生になったある日、両親からお許しが出て、家で犬を飼いはじめました。
キャバリアのジョイくんです。
ジョイくんはお家に来て早々、血便でぐったりして死にかけ、
大きくなってからも裁縫の糸を何メートルも食べてのどにつかえてしまったりと、
動物病院へ駆け込むことの多い子でした。
中学生だった私は、何度も動物病院を訪れましたが、
いつもその待合室の雰囲気が大好きでした。
そこにいる人たちはみんな動物が好きで、
知らない人同士が動物を囲んで話をしたり、動物をなでたり、
病気の治療をしている子をみんなで心配したり・・・、
そんなあったかい空間がすごく魅力的に見えました。
お恥ずかしながら、私が動物の病気を治すんだ!という強い志のもと、
獣医師を目指しはじめたのではありません。
ただ、この動物病院の温かな空間を、
私の一生の場所にしたいという想いで獣医師になりました。
当然、実際に獣医になってからは、厳しいこと、辛いことがあり、
温かいだけでは済まされませんが、
でも、やはり動物を大切におもう方々に接していると、
これがやはり私のしたかったことだと確信しながら、
仕事させていただいています。(憂子)