獣医師お休みのお知らせ
以下の日程で獣医師の休診があります。
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以下の日程で獣医師の休診があります。
只今、オスの兄弟猫ちゃんの
この1ヶ月ほど、来院時に重度の発作や昏睡状態で
救急の治療や手術を必要とするようなケースが多発しています。
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子宮蓄膿症から全身性炎症反応症候群(SIRS)を発症してしまったあずきちゃんです。
子宮の膿から全身に広がってしまった細菌感染と
破綻した子宮の血管からの重度の出血が引き金になり
SIRSという多臓器不全の一歩手前まで至り
生命の危険がありました。
すぐに輸血と手術を行い、
徐々にいつも通りの元気を取り戻し、
来院時の状態が嘘のように元気になってくれました。
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一口に子宮蓄膿症と言っても
身体で起きている変化は様々で、
治療を行ったとしても命を落としてしまうこともあります。
「子宮蓄膿症は手術すればすぐ治る」
「うちの子は手術をして治ったから他の子も治る」という、
単純なものではありません。
最近インターネットの普及に伴い、
動物の医療に関する知識が底上げされていることは、
我々としても、動物たちにとっても喜ばしいことではあるのですが、
それ故、「この程度なら大丈夫」「この症状はこの病気なので治る/治らない」と、
ご自身で判断されてしまうケースが多くなっているのも事実です。
人間の医療についてもそうだと思いますが、
必ずしもインターネットで得られる情報が正しいとは限りませんし、
その情報に適応する状態なのかどうかの判断が間違っていたら
助けてあげられる可能性のある子が手遅れになってしまうこともあり得るのです。
血液濃縮を伴う急性出血性下痢を起こす、
出血性腸炎(HGE)になってしまったやよいちゃんです。
血液の状態も非常に悪く、症状も重かったのですが、
入院治療と自宅療養を頑張ってくれたお陰で、
血液検査でも問題ないくらいまで回復してくれました。
このところ、若干涼しくなってきて、能登でも様々なイベントが行われています。
しかし、毎年この時期には消化器や皮膚の症状が出てしまう子が
たくさん来院されます。
どうか気になる症状がある場合には、
お早めに受診していただけますよう、お願い申し上げます。
先週は、遠方から泊まりがけで、
動物看護学生の方が1週間実習に来られていました。
先日当院で行った、動物看護師向けの講義を受けて、
さらに勉強をしたいということで、はるばる来てくださいました。
大変勉強熱心なだけでなく、動物にも優しい穏やかな方でしたので、
我々も見習うことが多く一緒に勉強させてもらいました。
当院では動物看護師(動物看護学生の方も)、
獣医師(獣医学生の方も)の方の実習や見学を随時受け付けております。
就職希望の方、または勉強のために見学・実習だけを希望される方は
ご連絡ください。
先日のフィラリアに続き、また予防の話です。
わんちゃん、ねこちゃんの混合ワクチンですが、
非常に感染力が強いパルボウイルス感染などの予防のために
とても重要になります。
残念ながら、ある地域や集団で感染が蔓延してしまうと、
その後のワクチンでは手遅れになってしまうことがあります。
(個々のワクチンや含まれている病気の種類については
接種の際などにご相談いただければと思います。)
2011年〜2016年の書籍や講演からワクチン接種後の副反応に関して、
特に気になった点についてまとめてみました。
・副反応のなかでもとくに大きな問題となるのはアナフィラキシーショックであり、
その多くが30分位までに発現している。(犬)
・アナフィラキシーの約8割が接種後15分以内に発現している。(犬)
・アナフィラキシーショックは接種直後に発生しやすい。(猫)
・ワクチン接種後24時間後の検査で炎症マーカーが高値を示し、
72時間後には接種前と同程度まで下がったという報告がある。(猫)
また、ねこちゃんのワクチン接種の推奨ガイドラインも示されており、
接種部位やワクチンの種類などに対する記載がありました。
当院での対策としても、ワクチン接種後の状態に対しての
注意喚起の啓発を行っております。
一過性の副反応、アレルギー反応、アナフィラキシー反応が起きる可能性があり、
それぞれどのような反応が出やすいかということを踏まえて、
ご説明させていただいています。
特にアナフィラキシー反応は短時間で起こる可能性があるため、
特に接種から15〜30分後までは最も注意が必要です。
また、少なくとも24時間までは炎症性サイトカインの影響が
出ている可能性があるため、接種した時刻に関わらず、
診察時間外に副反応が起こりうるという点にも注意が必要です。
(ワクチン接種の際には今一度、診察時間外の連絡先についてご確認ください。)
就業形態の多様化が進み、七尾でも夜間勤務、早朝勤務の飼い主の方が多く
ひとくくりに接種に適しているタイミングというのは
申し上げにくいところがありますが、
なるべく、時間的に余裕があって、接種後に目が行き届く日時を選んで
接種していただければと思います。
また、ワクチン接種のガイドラインは少しずつ改訂され
製造されるワクチンも年々改良されて、良い物も上市されてきています。
当院でも、アジュバンドの有無、国内の病原体株への有効性、
流通状況や安定供給の状態などを考慮して選定、改変を行うようにしています。
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今後も、ガイドラインやワクチンの上市、七尾の地域性などを総合的に考えて
ワクチン接種に関する検討を継続していきたいと思います。
未成年の飲酒は法律で禁止されています。
わんちゃんもダメです。
先日、焼酎のロックを誰も見ていない隙に
飲んでしまったわんちゃんが夜中に緊急来院されました。
わんちゃんはお酒が口に入っても嫌がる子が多いので
あまり多くはないのですが、
病歴、症状、口の中のかすかな匂い、血液ガス分析の結果から
急性アルコール中毒が疑われたため
もう一度、家の中を確認してもらったところ
空になったロックグラスが見つかりました。
重度の意識障害があり、危険な状態でしたが、
数日の集中治療で、アシドーシスも改善し、
元気になってくれました。
皆様もどうかご注意ください。
獣医畜産新報(JVM)という、獣医師向けの学術専門誌の8月、9月号で
当院で取り入れているアイデアやグッズなどを、連載で紹介させていただきました。
2回合わせて50ページちょっとの内容ですが、
どの先生にも1つくらいは「これは便利そうだな」というものが見つかればと思い、
連載させていただきました。
開院して4年目の今年は、開院から3年の間に、
当院で試行錯誤しながら取り組んでいった地域獣医療におけるアイデアを、
この連載のほか、日本獣医内科学アカデミー(2月)、動物医療発明研究会総会(5月)、
動物医療発明研究会会誌(季刊)などを通して、
たくさんの方に発信する機会をいただき、
開院から今までの軌跡を辿り、振り返る、総まとめの年となりました。
来年からも、
七尾から発信し、全国から受信できるような、
学術的な体制が当院としても継続できればと思っています。
また私たちにできる範囲内ではありますが、
少しずつ、設備の拡充も行っていければと思っております。
本年から導入している、
血液凝固検査(血液がちゃんと固まるかどうかの検査)ですが、
今までは、緊急手術時の検査に主に使用し、
術中、術後の出血に対する予測と対策が、
これまで以上に立てやすくなりました。
以下の日程で獣医師のお休みがあります。