カテゴリー「①外科症例」の記事

2024年3月16日 (土)

来週の診察予定

来週の診察予定です。
3/18~3/22(月~金) 9:00~12:00 16:00~18:00
3/23土 9:00~12:00
3/24日 休診
スタッフがなかなかそろわない状況ですが、金沢方面から応援に来てくださる方も加わってくださり、何とか開院させていただいております。大変ご迷惑をご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご容赦のほど、よろしくお願い申し上げます。
また、復旧作業中につき、お電話による対応ができにくい状況です。通常通りの診療が開始できず、大変申し訳ありません。
写真は、緊急で血栓症の手術をしたコブちゃんです。退院後も元気な姿を見せてくれました。人では大災害時の精神的、身体的ストレスにより血栓性疾患のリスクが増大することが示唆されていますが、猫ちゃんの動脈血栓症も、震災後に多くなっているように感じています。
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2023年9月 1日 (金)

腹腔内巨大腫瘤

お世話になっている先生から
超音波検査で確認していた、
上腹部にできた腫瘤が
急速に大きくなり、精査のために、
ご紹介来院いただいた豆助くんです。
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ご紹介いただいてCT検査を行い、
脾臓の巨大な腫瘤と
微少な腹腔内出血が認められたため
すぐに手術になりました。

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大きな腫瘤でしたが
幸い、病理検査では良性のものでした。
術後の再診にも元気に来てくれました。
早めにCT検査をご紹介いただいた先生と
手術を決断してくださった飼い主様に感謝いたします。


2023年7月 7日 (金)

ハムスターさんの足先の腫瘍(毛母腫)

足先にできた巨大な腫瘍の手術を頑張ったこむぎちゃんです。
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幸い、できものは、当初に予想していた通り、
ハムスターさんの足に多い種類の
良性の腫瘍でした。
足や指の切断も考慮する状況でしたが
腫瘤だけの切除で経過が見れそうです。
ハムスターさんは寿命が決して長くはないので
こむぎちゃんのように1歳未満の子でも
腫瘍ができることがあります。
様子を見すぎてしまうことないように
ご注意いただければと思います。
これからも再発には注意が必要ですが
元気なこむぎちゃんで
長生きしてほしいです!

2022年6月 8日 (水)

腸の腫瘍

小腸〜大腸にかけての腺癌を摘出したBOSSちゃんです。
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先日、術後の経過観察では
体重がかなり増えて調子が良さそうでした。
だいぶふっくらして毛並みも良さそうです。
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わんちゃんやねこちゃんの腸の腫瘍には
リンパ腫や腺癌などがありますが、
診断が難しく、
食欲不振や、下痢嘔吐、体重減少といった消化器症状から
必要に応じて血液検査、レントゲン、超音波検査などの
麻酔を必要としない検査を行いますが
それでも確定することが困難なことも多く
その場合は麻酔や鎮静をかけての
内視鏡検査、CT検査、病理・細胞診検査などから
総合して診断することになります。
腫瘍であった場合には
治療方法が手術や抗がん剤、放射線治療など
侵襲性の高いものが多く、
実施するに当たって、
より確定診断に近い診断が必要となるからです。

2022年5月17日 (火)

ハムちゃんの大きな腫瘍・・

身体の1/6近い大きさの腫瘍を摘出したつんちゃんです。
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60kgの人に換算すると
身体に10㎏のしこりがついている状況です。
術後は「これはなんですか?」という顔をしていました。
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小さい動物さんの手術には
様々な器具の準備が必要ですが、
当院での使用方法について
オンラインでお話する機会をいただけそうです。
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力及ばないことも多いですが、
小さい命が一頭でも救われることを祈って。
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2022年3月31日 (木)

歯周病治療≠歯石取り

昨年、歯周病治療を行ったふくちゃんです。
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歯石を取ってあげたいということでしたが、
実際には歯周病になっている歯があり、
すでに歯根膿瘍になってしまい、
抜歯が必要にな歯もありました。
また、重度の歯周病で
歯肉が退縮してしまっている歯もありましたが、
歯周ポケットの十分な処置(ルートプレーニング)を行い、
幸い、1年後の再診時には歯肉が盛り上がってきていました。
歯肉の増生が期待できる歯に関しては
こういった処置が、見た目の審美性以上に
大切になると考えています。

歯石の付着している歯は、
超音波などの器具で歯石を取ったあとに
歯の表面に、
拡大鏡や手術用顕微鏡でないと判別できないような
小さな傷がたくさんでき、
歯石が再付着しやすくなってしまうことがありますので、
同時に研磨する処置(ポリッシング)
を行うことも大切と考えています。

2022年3月13日 (日)

横隔膜ヘルニアの子猫ちゃんのその後

昨年末に外傷性横隔膜ヘルニアの手術をした
びーちゃんです。
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胸壁の損傷も伴っていて、
この子の小さな体にとっては大手術でしたが
術後も元気モリモリなようでした。
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先日、避妊手術も可能な状態まで
回復してきていたので、
一泊の入院で
念の為、術中の呼吸管理レベルを引き上げて
術後もICUでの管理となりましたが
心配をよそに、ICUの中から甘えんぼモードで、
肉球丸見え状態でした。
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たくさんの動物さんがいる中で
人の手、ましてや獣医師が関与してまで
救える命はごくわずかかもしれません。
しかしながら、
小さな命が温めてくれる、
人間が他者の命を大切にする自然な感情が
世界中にあることを
信じて止みません。

2022年2月11日 (金)

顎のCT

動物病院で行う歯科処置は
歯医者さんと比べればかなり限られているかもしれませんが、
一般に
 歯石を取るスケーリング
 歯周ポケットの壊死組織や
 歯石を取り除くSRP(スケーリング&ルートプレーニング)
 表面を研磨するポリッシング
 覆髄治療、根管治療
 部分的な歯石の分割
 抜歯、歯根分割
などがあります。
しかし、どの手技がその子のどの歯に必要かを
正しく診断することが
歯科処置そのもの以上に重要になります。
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この画像はわんちゃんの顎のCTです。
このわんちゃんは麻酔下で歯石を取ったのが

1年くらい前と聞いていましたが、
すでにたくさんの歯石がついていて
歯茎も腫れていました。

丸がついているところは、歯根病巣があり
歯槽骨を溶かしてしまっています。


歯石をとっても表面に傷がついてしまえば
取る前よりも歯石がつきやすくなりますし、
一見しっかりしている歯でも
すでに歯根は細菌の病巣になって
修復不能になっている場合もあります。
歯が欠けたり摩耗したりして
神経が露出してしまっている場合は
感染しないように被覆する処置をしたり
神経を抜く根管治療になることもあります。
また、ねこちゃんの口内炎では
歯石だけ除去しても
根本的な治療にならないこともあります。

2021年10月16日 (土)

ジャンガリアンハムスターの外耳炎

外耳炎・膿瘍の治療を頑張ったはむちゃんです。
腫れがなくなり順調そうです。
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湿度の変化しやすい時期になると
外耳炎の症状で受診されるわんちゃんが
多くなりますが、
ハムスターでも外耳炎が起こります。
わんちゃんとハムちゃんの大きな違いは
ハムちゃんの場合、
耳道に大きな膿瘍ができてしまってから
気づかれるケースが多く、
ハムちゃん特有のチーズ様の膿が
耳道や、周囲の骨を破壊してしまって
治療が難しくなってしまう点にあります。
今回のはむちゃんのように、
(ハムちゃんにとっては)大がかりな洗浄を繰り返し、
内服のお薬を頑張って
治ってくれるケースもありますが、
それは運が良い方かもしれません!

ウサギさんの骨折;エキゾと整形

前腕骨折の手術を頑張ったむぎちゃんです。
骨も癒合し、固定器具を外すことができました。
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ウサギさんは飛び上がる力が強いわりに骨質が薄く
骨折しやすい動物なので、
飼育されている方はご注意ください。
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動物さんの医療の中で
「一次診療」「ホームドクター」「町医者」と呼ばれる
規模の病院(当院も当てはまります)では
どうしても対応できない分野が出てくることがあります。
特に顕著なのが、
エキゾチックアニマルの診療と整形外科の診療で、
遠方への通院が必要となるケースが
全国的にも多くなっています。
今回のようなエキゾ×整形は
小動物系の病院にとっては
鬼門なのかもしれません。
そして、地方でもなるべく獣医療の掌から
こぼれ落ちてしまう分野が出ないようにするのも
課題の一つかもしれません。

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