カテゴリー「⑦診療設備関連」の記事

2017年8月29日 (火)

デュアルダイオードレーザー

新しく診療機器が増えました。
デュアルダイオードレーザーです。
2種類の波長の(デュアル)半導体の(ダイオード)レーザー治療器です。
整形外科や神経外科を多く行っている先生から
疼痛緩和に対して単一波長のレーザーと比べても
大変効果が見られているという情報を聞いて
導入費用を抑えるため、型の変わる時期に合わせて導入致しました。
今までパルス鍼治療を行っておりましたが、
レーザーであれば、動物で鍼治療の行いにくい部位の治療を
行うことができるのも、当院としては良い点でした。

2種類の波長を使った症例に合わせたプログラムの治療を行うことで、
痛みのある部位の深部まで効率的に治療効果のあるレーザーを
行き届かせることができるという小難しい理論でしたが、
論より証拠、当院でも実際に使った
椎間板ヘルニアのわんちゃんや口内炎のねこちゃんで
効果が出ています。
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当て方に注意が必要ですが
正しい使い方であれば副作用は考えなくても良さそうです。
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部位によっては処置する人と動物に目を保護するメガネをしてもらいます。
当院の本当の院長のにゃんこ先生です。
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「イケてるにゃ〜」
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このレーザーは、手術の際のレーザーメスとしても使用することもできます。
当院でもすでに手術でも使用しています。
その他に獣医療でよく使われるレーザーとしては炭酸ガスレーザーなどがありますが
これは外科で主に使われるもので、
このような疼痛緩和として使われるものではありません。
炭酸ガスレーザーは性能の高い高出力のものを
手術経験の多い先生が使うことで
非常に広い範囲の手術に応用することができるということです。
生半可なスキルや機械では理想的な使用ができないため
今のところ当院での導入は見送っておりますが、
レーザーの獣医療への応用は奥が深く今後も勉強していきたい分野のひとつです。

2016年7月27日 (水)

POCT(ポイントオブケアテスト)機器

POCTはポイントオブケアテストの略語で、
大病院の中央検査室や、外注の検査センターで行われる大規模な検査ではなく
診療・看護の現場での検査のことを指します。
動物病院は、人の医療機関と異なり、中小規模の病院が多いため、
一般的に獣医療でPOCTという場合には
外注検査ではなく、院内で行われる検査全般を指すと考えられます。
特に、外注検査センターが近隣にたくさんあり、
その日のうちに検体の回収と検査結果の報告が可能な都市部と異なり、
地方では、簡易的な検査であっても、
POCTで検査することのできる項目を確保することも
大切なことと考えています。
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以前に、POCT機器として
動物用の尿比重計と迅速血糖測定器をご紹介しましたが、
しばらく、設備関連の更新をしていない間に、
当院でも新たにいくつかの項目を測る機器を入れました。

尿のpHが測定可能なpHメーター(試験紙よりも正確な尿pH)
尿タンパククレアチニン比(UPC)簡易測定
血液ガス・電解質分析装置(アシドーシス、アルカローシスの評価、重炭酸イオンの評価、アルブミンの影響を受けないイオン化カルシウムの評価など)
血液中ケトン(糖尿病の重症度の評価)
血液凝固検査(簡易機器ではありますが動物用のデータがあるものを使用しています)

良い検査ができても、検査費用が必要以上に跳ね上がってしまうようなものよりも、
現実的に多くの動物を救うことができるかどうかを基準に導入しています。
単項目の小さな機械ではありますが、
すでにこれらの測定で病気の発見や状態の把握に至っているケースがあります。
またPOCT機器には微量の血液での測定が可能な機器が多く
採血量の確保できない動物や状態でも多くの情報を得ることができます。

少しずつではありますが、病院として発展していけるよう努めます。

2016年4月14日 (木)

口腔内レントゲン

少しずつではありますが、
当院でも口腔内レントゲン(口内法)の準備をしています。
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現在、最適な撮影条件などを検討中です。
わんちゃんやねこちゃんの口腔内レントゲンは
基本的に全身麻酔下でないと撮ることがができませんので、
まず、一般的な口外法でおおよその状態を把握することになります。
口腔内の外科的な処置の際に口内法で細部の撮影を行うことで、
歯根部の隠れた病変などを検出します。
麻酔中に行う検査なので、動物への負担も少なく
有用な情報が得られる検査だと考えています。

2016年3月25日 (金)

猫ちゃんの手術

猫ちゃんの手術時に、
より気管への負担を減らすために
喉頭マスクと人工鼻を使用しています。
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喉頭マスクは短時間の手術時に
気管への負担を減らして
陽圧換気を行うことを目的としています。
また人工鼻は、気道内の乾燥を防ぎ
術後の不快感を緩和することを目的としています。
動物種によってベストなやり方は異なるので
今後も試行錯誤と改善が必要ですね!

2016年1月19日 (火)

整形外科用アタッチメント

今回は同業者の方向けの内容です。

以前、歯科用ハンドピース先の形状についてまとめましたが、
今回は、整形外科のドリル先、ドライバー先、タップ先などの形状について
まとめてみました。
こちらも、名称に明確な統一がないようで
やや分かりにくい部分があります。
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主なものは以下の4種類になるかと思います。
①クイックカップリング型
(AOチャック、AO、ワンタッチという表記のこともあるようです)
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このような形状です。
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対応した器具に装着可能です。

②ミニクイックカップリング(デンタルカップリング)
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このような形状です。
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歯科用ハンドピースのCA(コントラアングル)タイプの形状とほぼ同じです。
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対応した器具で使用できます。

③ストレートハンドピース(HP)
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2.35mmの軸になっており、ストレートハンドピースに対応しています。
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歯科用のバーと並べると軸の太さが同じなのが分かります。

④ジャコブスチャック
(ヤコブスチャック、ヤコブチャック、ジャコブチャック、パワードリル)
自由径であり、対応するジャコブスチャックで使用できます。
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ジャコブスチャックは太さの異なるピンもチャックすることができます。

2015年12月25日 (金)

動物用検査機器

動物の血糖値や尿比重は、
糖尿病や腎臓病の検出や管理でとても重要な役割をします。
しかし、人間用の測定機器では、
特殊な計算や前処理をしなくては正確な値がでません。
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今までは人間用の機械で代用していましたが
少しずつ、動物専用に作られた機械が出てきていますので
当院でも導入しはじめています。
上は動物用の尿比重計と迅速血糖測定器です。
獣医師としては動物のための研究開発に取り組む企業は
ありがたい存在です。

2015年12月21日 (月)

体温測定

体温測定は重要な検査の一つですが、
主に直腸温(お尻から体温計を入れて測る温度)が用いられています。
水銀式の体温計で直腸温を測ることが一番正確性が高いと言われていますが
ある程度の時間、肛門に体温計を入れておかなければいけないということもあり
どうしても嫌がってしまう子も多いのが現状です。
また、直腸や肛門に炎症や損傷がある場合には計測するのが困難になります。

当院では動物の状態や性質に合わせて4種類の体温計を用意しています。
右から2番目が最も信頼性の高い、水銀式の体温計です。
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耳で計測する体温計。
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肛門で計測する電子体温計。
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眼で測定する体温計。
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正確に測るにはコツも要りますし、
施設ごとで測定法を統一する必要も出てくるかと思います。
当院ではデータを取って
負担が少なくなるべく信頼性が高い方法を
その都度、選択できるように工夫をしています。
データも揃ってきていますので
機会が来ましたら全国的な発表の場などで紹介していきたいと
考えています。
たかが体温測定かもしれないですが
恐がりさんや甘えん坊さんにとっては重要な問題なんです!

2015年12月18日 (金)

歯科月間

今月は歯科月間ということもあり
歯に関しての説明がしやすいように
いくつか工夫しはじめたことがあります。
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こちらのライトは歯垢や歯石が
ピンクや赤に目立って反射するライトです。
この子の場合は上顎の奥歯(写真の左側)に少し付着しています。
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歯肉が透明になっている、動物用の歯科模型です。
わんちゃんの歯がどれだけ深く、歯肉に埋まっているかがわかります。
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歯の健康が大事なのはわんちゃんだけではありません。
ねこちゃんでも歯肉炎や口内炎はとても多いですし、
草食動物であるうさぎさんは、
歯の異常は生命と直結する問題になってきます。
模型は左からわんちゃん、ねこちゃん、うさぎさんです。
歯の生え方が動物によって全く異なっているのがわかります。
特に草食動物のうさぎさんはわんちゃん、ねこちゃんとは
大きく異なっています。

2015年12月17日 (木)

歯科用ハンドピース先(同業者向け)

今回はほぼ同業者の方向けの内容です。

小動物の歯科の分野は
伴侶動物の高齢化とともに、
重要性が高まっています。
そのため、歯科用のマイクロエンジンを導入して
表面の研磨や抜歯を行う施設が増えてきています。
しかし、それらの導入に当たってハンドピース先についての規格が
歯科に特化していない我々にとっては単純でない部分がありますので、
ご参考までにまとめてみました。

①FG(フリクショングリップ)タイプ
②CA(コントラアングル)タイプ または RA(ライトアングル)タイプ
③HP(ハンドピース)タイプ
④スクリュータイプ(プロフィー用)

大きくこの4種類に分かれるかと思います。
①はハイスピードハンドピースで使用する直径1.6mmの短いバー
②は等速や減速のコントラアングルハンドピースで使用する直径2.35mmの短いバー
③はストレートハンドピースで使用する直径2.35mmの長めのバー
④はプロフィー用ハンドピースで使用するネジ式の先(カップなど)
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*メーカーによる差がある可能性がありますので、
事前にご確認いただきますようお願い致します。

2015年12月16日 (水)

薬剤感受性試験

恒温培養器を導入したので
院内での薬剤感受性試験が可能になりました。
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昨今、薬剤耐性菌による難治性感染症が問題になっているため
治療根拠に基づいた抗生物質の使用が推奨されていますが
感受性試験や培養検査は外注検査で行われることが多く
コストと時間がかかるという問題点がありました。
そのため院内で感受性試験が行えることでメリットが大きいと考え導入しました。

専門の検査センターでの培養同定試験に比べると
精度の点で劣りますが、その前段階の検査として、
あるいは同時に行うことで
早期に正確な抗生物質の選択ができる可能性が高まります。